マーケティングコラム パーソナライズとは?
具体的な手法と活用方法について解説

デジタルマーケティングにおいて、近年注目されている手法に「パーソナライズ」があります。

パーソナライズは、顧客一人ひとりのニーズに適応したマーケティングを実施するにあたり、大変重要な概念です。
しかし、パーソナライズという言葉は聞いたことはあるけれども、その意味や活用方法について、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、パーソナライズという手法とは何か、パーソナライズの具体例などについて解説します。

パーソナライズについて

ここでは、パーソナライズとは何か、その事例などについて解説します。

パーソナライズとは

パーソナライズとは、その顧客の属性や行動履歴などから、一人ひとりのニーズに応える情報やサービスを提供したり、商品の販売を行ったりする手法です。

ここで、顧客の属性とは何かがよく分からないという方もおられると思います。
顧客の属性とは、年齢や性別、住んでいる地域、職業といった個人の特性を表す情報のことを指します。

パーソナライズでは、顧客一人ひとりに合わせたマーケティングを行うことで、サービスの契約や、商品の購入を促すことができます。

インターネット設備が充実し、スマートフォンが普及した現代においては、従来のマーケティング方法では、サービスの契約を増やしたり、商品の売上を上げたりすることが難しくなってきています。

そこで、従来のマーケティングよりも、さらに個人のニーズに合ったマーケティング方法が必要になってきています。

身近なパーソナライズの具体例

パーソナライズの身近な具体例は以下の通りです。

  • Google検索したキーワードに対して、関連した商品やサービスに関する広告が表示される。
  • ECサイトで購入した商品を参考にして、類似商品がおすすめとして表示される。
  • 動画配信サイトや音楽配信サービスの再生履歴から、その人の好みを把握し、関連したコンテンツをおすすめする。
  • SNSの投稿内容や「いいね」を押下した対象などから、そのユーザーの趣向を分析し、類似したユーザーや、情報をおすすめとして表示する。

以上のようなマーケティング方法が、パーソナライズ手法の具体例としてあげられます。

パーソナライズに役立つシステム

パーソナライズでは、顧客の属性や行動履歴、インターネットでの検索履歴などの情報収集を行います。

具体的な情報収集方法と、マーケティングの実施方法には、以下のシステムの利用があげられます。

  • DMP(Data Management Platform)
  • CDP(Customer Data Platform)
  • MA(Marketing Automation)

まず、DMPとは、インターネット上に集約された様々な情報を管理するプラットフォームの事です。

DMPの活用により、顧客のお問い合わせデータや、外部ツールで集めたWEBサイトの行動履歴などのデータを的確に分類できます。
これらを利用し、既存の顧客や、見込み客に対して適切な広告を表示したり、商品をリピート購入してもらうための販売メールなどを配信したりできます。

また、CDPとは、自社で集めた顧客データの集約と統合を行い、データベース化するプラットフォームの事です。

自社の顧客の住所、性別、職業、氏名、電話番号などと、インターネット上で集めた顧客の行動履歴を結びつけることができ、より精細に顧客情報を管理できるプラットフォームを構築できます。

さらに、MAとは、顧客開拓を行うためのマーケティング活動を自動で実行してくれるツールや概念のことです。

従来のマーケティングでは、見込み客に対して、適切なタイミングで、的確な情報を営業担当者が手動で配信しなければならず、効率的ではありませんでした。
しかし、MAを利用することで、顧客に対する適切な情報展開を自動で行うことが可能となり、マーケティングにかかる手間を大きく省けるようになりました。

このように、DMPやCDP、MAを利用することで、これまでのマーケティング方法では実現できなかったパーソナライズを実用化できます。

パーソナライズの活用方法

ここでは、パーソナライズの活用方法について解説します。

レコメンデーション

レコメンデーションとは、趣向や行動分析を実行し、個々のユーザーに対して、適切な商品やサービスを提供するシステムです。
レコメンデーションは多くの分野で活用されています。

例えば、ECサイトでは、顧客の購買履歴や、商品の閲覧履歴などを基にして、興味がありそうな商品をおすすめします。

また、動画配信サイトにおいては、顧客の視聴履歴や、好みに合わせて、次に視聴する動画をおすすめします。

マーケティングオートメーション(MA)

MAは、マーケティングを効率化あるいは自動化するツールの事です。

MAを利用することで、企業は顧客の詳細なデータを収集でき、そのデータを利用することで、無駄のないマーケティング活動を自動で実施できます。
これにより、見込み客を獲得し、実際に商品を購入する顧客にまで育成することが期待できます。

Web接客

Web接客とは、サービスサイトへの訪問者に対して、商品やサービスについて強い関心を抱かせたり、コンバージョン率を向上させるために、Web上で接客することを意味します。

例えば、サービスサイトに訪問してきた顧客の属性や行動パターンを分析し、適切なタイミングでポップアップバナーを表示させたり、キャンペーン情報を表示させたりといったアプローチをすることがWeb接客です。

ランディングページ最適化(LPO)

ランディングページ最適化とは、ランディングページの情報を集約し、分析することで、コンバージョン率を向上させられるように、ランディングページを改善することです。

ランディングページとは、ユーザーがネット検索や、メールマガジンのリンクを通して、そのサイトの一番最初にアクセスするWebページのことです。

ランディングページは、そのサイトが訪問者に対して、どれだけポジティブなインパクトを与えられるかを左右します。
したがって、非常に重要なWebページとなり、コンバージョン率にも大きな影響を与えます。

従来のマーケティングとの相違

ここでは、従来のマーケティング手法とパーソナライズの違いについて解説します。

マスマーケティングとの違い

マスマーケティングとは、企業側が不特定多数のユーザーに対して、一方的に情報発信するスタイルのマーケティング手法です。

例えば、テレビCMなど新聞の折込チラシなどが一例としてあげられます。
マスマーケティングは、インターネットが普及し、ユーザーとのインタラクティブなやり取りが可能になった現代においては、あまり効果が期待できないマーケティング方法です。

ダイレクトメールや展示会などを利用したマーケティングとの違い

インターネットが現在のように普及する前は、見込み客の開拓はダイレクトメールや展示会などのイベントによって行うのが常識でした。

しかし、インターネットが日常的に利用されるようになってからは、顧客ニーズが多様化し、一方的な発信しかできないダイレクトメールや、ユーザーに足を使わせる展示会などのイベントで見込み客を開拓することが難しくなっています。

そこで、多様なニーズにも対応できるパーソナライズが注目されています。

レコメンドとの違い

レコメンドとは、顧客の趣向や行動パターンの分析から、サービスや商品をおすすめするマーケティング手法です。

レコメンドとパーソナライズは、一見すると特徴が似通っていますが、顧客の分類の仕方に大きな違いが見受けられます。

レコメンドは、似たような好みや行動パターンの顧客をグループ単位で区別し、そのグループ毎に適した情報を発信することで、サービスの契約や商品の購入を促すマーケティングです。
一方、パーソナライズでは、顧客一人ひとりの趣向に合わせて、情報発信を行うことができるマーケティング手法です。

パーソナライズを活用した具体例

ここでは、パーソナライズを活用した具体的な事例をご紹介します。

Amazonでの成功事例

Amazonでは、パーソナライズを活用し、Amazonサイトで商品を購入するユーザーに対して、「この商品を買った人はこんな商品も購入しています」というメッセージを表示し、関連する他の商品も購入することを促してきます。

これにより、顧客の購買意欲を刺激し、ECサイトの売上に貢献しています。

日本旅行での成功事例

旅行計画を立てているユーザーは、複数回、同じ旅行サイトにアクセスして、情報収集するという特徴があることが分かっています。
そこで、日本旅行では、一定期間内に何度もサイトに訪問してくるユーザーに対して、限定クーポンを配布する戦略を打ち出しました。

この施策は、顧客がサイトに訪問する機会を、パーソナライズに管理できたマーケティング手法と言えるでしょう。

SABONでの活用事例

SABONはラグジュアリーなボディーソープやハンドクリームなどの日用品を販売している会社です。

SABONでは、実店舗で経験できる「香り」に関する体験を、ECサイトの利用においても実現できないかと考えました。
そこで、顧客が興味をもった商品の「香り」と、同じ「香り」がする商品をおすすめしてくるECサイトを運営することにしました。

この施策により、パーソナライズ手法を用いて、顧客のニーズに応えることが可能となりました。

ここまで、パーソナライズとは何か、パーソナライズの身近な具体例、従来のマーケティングとの違いなどについて触れてきました。

この記事のポイント
  • パーソナライズとは、その顧客の属性や行動履歴などから、一人ひとりのニーズに応える情報やサービスを提供したり、商品の販売を行ったりするマーケティング手法。
  • パーソナライズの具体例として、Google検索した時のキーワードに関連する商品の広告が表示される、といった事があげられる。
  • パーソナライズの活用事例として、MAやWeb接客、LPOなどがある。
  • パーソナライズと従来のマーケティングの大きな違いは、顧客一人ひとりのニーズに応えることができるかどうか。

grip spaceでは、ユーザの行動や属性に応じて、表示するポップアップコンテンツを変更するパーソナライズの機能があります。

またパーソナライズのシナリオ作成についても、WEB解析機能を備えているので、CVしたユーザーと未達成ユーザーの行動の違いを明確に把握できます。
このデータを基に、CVユーザーの特徴を分析し、仮説を立てて検証することで、効果的な施策を導き出せます。

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