WEBマーケティングにおいて用いられる指標は実に多様です。
例えば、直帰率や離脱率、CVR(コンバージョン率)、ページビューなどがあります。
そして、このような指標をWEBマーケティングでは、KPIとして利用します。
ここで、KPIとは何かという疑問点が浮かび上がってきます。
この記事では、KPIとは何か、KPIに設定される具体的な指標とその意味、KPIを設定することで生まれるメリットなど、KPIを中心にWEBマーケティングについて解説します。
KPIについて
ここでは、KPIとは何か、またKPIとセットで用いられる、KSFやKGIについて解説します。
KPIとは
KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字を取った略称で、日本語に訳すると、「重要業績評価指標」という意味になります。
もっと噛み砕いて表現するならば、ある事業を成功させるための「重要な要因」を具体的に数値化し、中間的な目標としたものです。
KSFとは
KSFとは、「Key Success Factor」の略称で、日本語では「重要成功要因」と呼ばれます。その意味は、ある事業の最終目標を達成するために、重要要因のことを示します。
例えば、自社製品の売上を1000万円増加させるという最終目標を掲げた場合に、その具体的な要因として、「製品の付加価値」を高める、あるいは「顧客単価を向上させる」といった要因があげられます。
この具体的な要因をKSFと言い、KSFをさらに具体的に数値化したものがKPIです。
KGIとは
KGIとは、「Key Goal Indicator」の頭文字を取った略称で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。
例えば、その企業の利益を、前年比で10%増加させるといったことが、KGIとなります。
つまり、その事業の最終的な最大目標のことを示します
KPIの設定の仕方
ここでは、具体的な目標となるKPIの設定プロセスを解説します。
KGI(最終的に実現したい目標)を掲げる
まずは、その事業で最終的な目標となるKGIを設定します。
例えば、自社製品の総売上を5000万円増加させるといったことが、KGIになります。
ポイントになるのは、具体的な数値を含む目標とすることです。
KGIを最適化できれば、その事業に関わるステークホルダーに理解されやすく、共有しやすいことでしょう。
さらに、ステークホルダーに理解を得やすいように、現実味のあるKGIとすることも重要なことです。
KSF(最終目標を達成するために重要となる要因)を掲げる
次にKSFを設定します。
KGIを達成するために、重要となるKSFを洗い出し、具体的な課題を選別していきます。
この工程は、事業部レベルあるいは部門毎のチームレベルで実現できることを設定しましょう。
事業のKGIを達成するために、徹底的に議論し、課題を洗い出すことで、KSFの確度を上げることができます。
KPI(重要となる要因を数値化したもの)を掲げる
KSFを設定できたら、それを実現するための中間目標となるKPIを検討します。
1つのKSFを達成するために、複数のKPIを設定することもあります。
また、KPIはKSFを達成するための目標とするため、必ず具体的な数値を含んだ内容に落とし込みましょう。
例えば、「1ヶ月の販売台数を100台にする」、「成約率を5%に上げる」といったことが、KPIとして考えられます。
KPIになる主な指標について
WEBマーケティングにおけるKPIにはさまざまな指標があります。
ここでは、具体的なKPIとなる指標について解説します。
直帰率
そのサイトの1ページだけを閲覧し、他のページには遷移せずに、そのサイトから離れてしまう割合を示したのが直帰率です。
直帰率は低いほど良い指標なので、サイトを運営する時は、直帰率を下げるように工夫する必要があります。
離脱率
離脱率とは、サイトにアクセスし、1つのページだけでなく、他のページも閲覧して、その後、ブラウザを閉じてサイトを離れた割合を示します。
例えば、ある企業のサイトを閲覧した時のユーザーが、「企業トップページ」→「コラム」→「会社概要」という順番でページを閲覧したとします。
この時、「会社概要」ページでユーザーがそのサイトを離脱した場合に、「会社概要」ページが離脱率の対象としてカウントされます。
直帰率と離脱率はよく似た考え方であるため、その違いを理解しておきましょう。
CVR(コンバージョン率)
CVR(Conversion Rate)は、そのサイトへ訪問したユーザーの内、どれだけコンバージョンしたかを示す割合です。
ここで、コンバージョンとは、「求められている成果」のことです。
例えば、そのサイトを通してユーザーが商品を購入されたり、資料ダウンロードをしたりと、事前に設定した成果が生み出せたかを表す指標です。
ページビュー
そのサイトを構成するページの内、どのくらいのページが閲覧されたかを示す数値です。
対象となるサイトの規模や、マーケティングの状況を示すもっともベーシックな指標の1つです。
ユニークユーザー(UU)
ユニークユーザー(Unique User)とは、一定の期間内にそのサイトへ訪問したユーザー数のことを意味します。
例えば、あるユーザーが一定の期間内に、何度もサイトへアクセスしても、ユニークユーザー数は1人としてカウントされます。
セッション数
セッション数とは、特定のサイトにユーザーが訪問した回数のことです。
訪問数あるいは訪問回数と呼ばれることもあります。
ユニークユーザーとは違い、同一人物が、そのサイトに何度もアクセスすると、セッション数として全てカウントされます。
リテンション率
リテンション率とは、一定期間内に、そのサイトにユニークユーザーが何度再訪問したかを示した数値です。
ページ遷移率
ページ遷移率とは、そのサイト内の他のページに、どれだけ遷移したかを表した数値です。
回遊率
回遊率とは、ユーザーがそのサイト内のさまざまなページを、どのくらい閲覧したかという割合です。
回遊率が高いということは、ユーザーが、そのサイトに関心を抱いていることを示しています。
サイトの運用目的により異なるKPI
注視しなければならないKPIは、そのサイトの運用目的により異なります。
ここでは、各種サイトにおいて重要となるKPIを解説します。
ECサイトでのKPI
ECサイトにおいて、重要となるKPIは以下の通りです。
- セッション数
- コンバージョン率
- 客単価
- リピート率
ここで、リピート率とは、そのECサイトで商品を購入したユーザーが、再度商品購入したかを示す指標です。
サービスサイトでのKPI
サービスサイトとは、その企業の商品やサービスに特化したサイトのことを指します。
サービスサイトで用いられるKPIは以下の通りです。
- コンバージョン率
- 問い合わせフォームへの遷移率
- サービス紹介ページへのページビュー
- 資料のダウンロード数
情報発信や広告収益拡大を目的としたサイトでのKPI
情報発信によりユーザーに対してサービスへの認知度を上げたり、広告収益を高めたりするサイトについて、よく設定されるKPIは以下の通りです。
- ページビュー
- セッション数
- ユニークユーザー数
- 回遊率
- 直帰率
KPIを設定するメリットとは
ここでは、WEBマーケティングにおいてKPIを設定するメリットについて解説します。
チームとして進めべき方向性を一致させられる
第一のメリットは、チームとして進むべき方向性を示せることです。
KGIを達成するための中間目標となるKPIを設定することで、チームメンバーの一人ひとりが、どの方向に向かって、何をするべきかを具体的にすることができます。
取り組むべき課題が明確になる
第二のメリットは、取り組むべき課題が明確になることです。
KPIを設定することで、解決するべき課題が明確になり、どの課題を重要視し、優先的に取り組むかを決定することができます。
闇雲に行動することを回避できるので、仕事の効率を上昇させることも可能でしょう。
目標が明瞭になるのでモチベーションアップにつながる
第三のメリットは、チームメンバーのモチベーションをアップさせられることです。
KPIを具体的にすることで、重要な課題が何かを意識しながら仕事を進められます。
また、目標が明確になることで、メンバーのモチベーションを高める効果も期待できます。
改善点がクリアになる
第四のメリットは、改善点が明確になることです。
KPIを意識することで、何のためにその業務をこなすのかが明確になり、各々の業務に対する理解度を上げることもできます。
ここまで、WEBマーケティングにおけるKPIとは何か、具体的なKPIにはどんな指標があるか、KPIを設定するメリットについて解説してきました。
- KPIは、その事業にとって最終的な目標を達成するために設定される「小さな目標」。
- KPIを適切に設定するには、KGIやKSFを具体的にすることが重要
- WEBマーケティングにおいては、サイトの運営目的により、注視するべきKPIの指標が違う。
- KPIになる指標には、ページビューやユニークユーザー、回遊率、直帰率などがあげられる。
サイト運営における目標達成をサポートする、grip spaceのトライアルをぜひお試しください。